【寄稿】海外で進む食の革命
日本はこれから
植物性料理の世界
~植物性料理研究家の活躍が始まります~
こんな人にぜひ読んでいただきたい記事です。
- 食に関心の高い人
- 食の知識が豊富な人
- 食の情報通の人
- 食にまつわる活動をしている人
これ(↑)に当てはまる人だったら、すでに何度か「植物性料理(プラントベース食)」という言葉に触れたことがあるはずです。
「ああ、あれね」って思うことでしょう。
でも、なにげなく耳にしたこの言葉が、これから世の中の食卓を変えてしまう力を秘めているって、知っていましたか?
「植物性料理(プラントベース食)」を語れる人が、これから求められるって、知っていましたか?
「植物性料理(プラントベース食)」は一過性の流行語ではありません。
マクロビオティックやホールフードのような「一部の人々にだけ強く支持される」特殊な言葉でもありません。
これから先、何年も何十年も、わたしたちが食を語るときの主役になる言葉です。
それほど重要な言葉なのですが、日本ではまだあまり知られていません。
海外では大騒ぎしているのに、日本はまだそのことに気がついていないのです。
だから、ぜひ気がついてほしいと思い、これを書いています。
なぜ「植物性料理(プラントベース食)」に世の中の食卓を変えてしまう力があるのでしょうか?
なぜ「植物性料理(プラントベース食)」を語れる人が、これから求められるのでしょうか?
その理由を、これから説明します。
|
1.植物性料理(プラントベース食)とは
植物性料理(プラントベース食)とは、近年、注目度が急激に上がっている言葉です。
野菜・果物・豆類・穀類・キノコ類など、「動物性の原料を使用せず、植物由来(プラントベース)の原料で作ったたべもの」
を指します。
「植物性料理(プラントベース食)」は、「ベジタリアン食」「ビーガン食」と似た言葉ですが、正確には同じではありません。
「ベジタリアン食」「ビーガン食」に対して極端なイメージを持つ人が少なくないのに対し、「植物性料理(プラントベース食)」にはそうしたイメージがないとされています。
そのため、「植物性料理(プラントベース食)」という言葉のほうが大きく広まると期待されているのです。
参考記事
「ベジタリアン」「ヴィーガン」ではなく「プラントベース」が注目を集める理由(NewSphere)
1-1.イメージ
「ベジタリアン食」や「ビーガン食」、とくに後者の「ビーガン食」には、食生活を律し、日々こうあるべきだという思想や哲学があります。
ストイックな厳しいイメージがあるといえるでしょう。
これに対し、「植物性料理(プラントベース食)」は、特定の思想や哲学にもとづく言葉ではありません。
ストイックな厳しいイメージもありません。
普遍性のある言葉だといえるでしょう。
1-2.歴史
「ベジタリアン食」「ビーガン食」は自然に発生した言葉です。
これに対し、「植物性料理(プラントベース食)」は、もともとはマーケティングのために欧米で考え出された言葉です。
欧米では「ベジタリアン食」「ビーガン食」という言葉は、「一部の人々にだけ強く支持される」言葉でした。
そのため、
- 「ベジタリアン・レストラン」や「ビーガン・レストラン」には、「食生活に厳しい人ばかりが集まる、健康的かもしれないがあまり美味しそうではない店」というイメージがあり、一般の人が敬遠する
- 「ベジタリアン食」「ビーガン食」を標榜する食品には、「食生活に厳しい人が買う、健康的かもしれないがあまり美味しそうではないたべもの」というイメージがあり、一般の人が敬遠する
という傾向がありました。
実際には美味しい店が多いですし、美味しい食品も多いのですが、なかなか理解されないのです。
レストラン側や食品会社側には、
「広く一般の人にも味わってほしい」
「味だってじゅうぶんに美味しい」
という気持ちや意図があったにも関わらず、理解を広げるのに苦労しています。
そこで、新たに注目された言葉が「植物性料理(プラントベース食)」です。
「植物性料理(プラントベース食)」という言葉には
- とっつきやすい(厳しくない)
- 思想や哲学とは関係がない
- 美味しい
というイメージがあり、飲食業界や食品業界はこの言葉が普及することを大いに期待しています。
1-3.種類
「植物性料理(プラントベース食)」には、大きく分けて
- 伝統的な植物性料理
- MODOKI(もどき)的な植物性料理
- 超加工的な植物性料理
という分類があります。
<伝統的な植物性料理>
「肉や魚の代わりになるもの」というよりは、「それ自体を独立した料理として楽しむもの」を指します。
- 精進料理(日本の場合)
- 野菜好きの人が好む野菜料理
などがこの分類になります。
精進料理の場合、昔は「肉や魚の代わり」だったものが、今では1つの料理として成立していると考えられるので、この分類に入れています。
(例)
和菓子の羊羹には「羊」という字が入っています。
もともと羊羹の「羹」はとろ味がかったスープのことを言い、中国の唐の時代に、羊のスープのことを羊羹と呼んでいたそう。
唐に留学した禅僧が帰国の際におやつとして奈良の都に持ち帰ったのが始まりのようです。
しかし禅僧は肉食禁止なので、羊羹を作りたくても羊肉を使えず、小豆、小麦粉、葛粉といった植物性の材料で羊羹スープ「もどき」が作られたとのこと。
やがてそれが時代を経て甘いお菓子に変化し、蒸し羊羹となり、江戸時代の半ばごろから寒天を用いた練り羊羹が作られるようになり、今日に至っているとされています。
<MODOKI(もどき)的な植物性料理>
さきほどの「伝統的な植物性料理」が「それ自体を独立した料理として楽しむもの」であるのに対し、「MODOKI(もどき)的な植物性料理」には「肉や魚の代わりになるもの」という性格があります。
(例)
アメリカ西海岸の話ですが品種改良により 寿司ネタのマグロによく似た質感のトマト 寿司ネタのウナギによくにた質感のナス が栽培されています。
このトマトやナスを上手に下ごしらえすると、寿司ネタのマグロやウナギと区別がつかなくなるらしく、ビーガンの多い西海岸では重宝されているとか。
同じくアメリア西海岸の話ですが、フライパンで焼くとベーコンの味と香りがする海藻が、開発されています。
<超加工的な植物性料理>
このところメディアを騒がせているのが「植物性(プラントベース)肉」と呼ばれているもので、
「テクノロジーを駆使し、豆類や穀類や野菜などの材料を高度に加工してできる、肉のそっくりさん」
です。
その製造技術は日進月歩。
つい数年前まで「肉」とは名ばかりの似てもにつかない(あまり美味しくもない)状態でしたが、今では味や食感はおろか焼くと肉汁が出るところまで「肉そっくり度」が上がってきています。
「MODOKI(もどき)的な植物性料理」が
- 原材料が想像できる
- キッチンで作られる
のに対し、「超加工的な植物性料理」は
- 原材料が想像しにくい
- 「ラボ」で製造される
のが特徴。
そのため、「こんなものは たべものと認めない」と拒否反応を示す人もいることでしょう。
とはいえ、世界的なトレンドとしては「超加工的な植物性料理」の普及は着実に進んでいくものと思われます。
今はまだ「新奇なイロモノ」と受け取られていますが、時代を経て変化し、「伝統的なもの」として定着する可能性があるのです。
参考
2.海外はこんなに騒いでいます
植物性料理(プラントベース食)の本場は今のところアメリカですが、欧米を中心に広く普及が進んでいます。
検索数も日を追うごとに確実に上昇しています。
植物性料理(プラントベース食)についての記事も数多く書かれています。
植物性料理研究家協会では、植物性料理(プラントベース食)についての記事を集める活動を日々行っていますが、記事の数があまりにも多く、毎日書かれているので、すべてを追い切れていません。
それでも精一杯集めた記事をこちらに紹介しています。
欧米での「植物性料理(プラントベース食)」の広がりを、以下に簡単にまとめてみました。
2-1.飲食店
- 「植物性料理(プラントベース食)」を打ち出す飲食店が増えています(例:「植物性ビストロ)「植物性バール」)
- これまで「ベジタリアン食」「ビーガン食」を名乗っていた飲食店が、「植物性(プラントベース)」という名乗り方に切り替えはじめています。
- 大手ハンバーガーチェーンが、「植物性(プラントベース)肉」の導入を始めています。
- 大手コーヒーチェーンが、「植物性料理(プラントベース食)」の導入を始めています。
参考
アメリカで大手チェーンも取り入れ始めた「植物肉」料理の可能性(MAG2NEWS)
2-2.食品販売店
- ほとんどのスーパーマーケットで「植物性(プラントベース)肉」が販売されています。しかも、肉のコーナーに商品が置かれ、肉として扱われています。
- 「植物性(プラントベース)肉」専門の販売店が増えています。そこでは「植物性(プラントベース)肉」で作られたハムやソーセージなども扱われています。
2-3.食品会社
- 「植物性(プラントベース)肉」のスタートアップ企業が次々と誕生しています。
- そうした企業の将来性を期待して、世界的な著名人や、日本の大手商社などが巨額の投資をしています。
- 遅ればせながら「植物性(プラントベース)シーフード」のスタートアップ企業も、誕生し始めました。
- 既存の大手の食品会社も、「植物性(プラントベース)肉」部門を新設しています。
- これまで「(動物性の)肉」専門だった会社が、危機を感じて「植物性(プラントベース)肉」の分野に進出し始めました。
参考
- 食肉大手も参入、高まる代替肉人気 米国(AFP BB NEWS)
- 100%植物性「ヴィーガン刺身」が世界進出!(TABI LABO)
2-4.料理
- 植物性料理(プラントベース食)を食事に取り入れる家庭が増えています。
- 植物性料理(プラントベース食)専門の料理学校が誕生しています。
- 植物性料理(プラントベース食)を教える料理教室が増えました。
- これまで「ベジタリアン食」「ビーガン食」を打ち出していた料理教室が、「植物性料理(プラントベース食)」を打ち出すように変わりつつあります。
- 植物性料理(プラントベース食)の専門家が誕生しています(例:「植物性料理(プラントベース食)シェフ」「植物性料理(プラントベース食)研究家」)
2-5.ドクターや栄養士
- 植物性料理(プラントベース食)に詳しい医師
- 植物性料理(プラントベース食)に詳しい栄養士
が誕生しており、植物性料理(プラントベース食)を病気の予防に役立てようと活動しています。
2-6.酪農・乳業の変化
- 植物性のミルク(アーモンドミルク、豆乳、オートミルクなど)が売上を伸ばしています。
- その結果、牛乳の消費量が減り、アメリカでは大手乳業メーカーが倒産しました。
- 酪農家が牧場経営をやめ、アーモンド農家などに転換する道を探り始めています。
参考
- アメリカ消費者の「牛乳離れ」が深刻、最大手が破産宣告(Forbes)
- 【パックンの眼】アメリカに広がる「脱牛乳」の動き(BSテレ東)
- 北欧の冷蔵庫が変わった 植物性ミルク「オートミルク」の時代が来る?(朝日新聞)
3.その流行は一過性のものではありません
植物性料理(プラントベース食)の流行は、もはや「流行」という言葉ではおさまらず、人類の食生活の大きな変化であり、将来にわたって定着するものと考えられています。
人によってはこれを「シフト」「革命」と呼んでいます。
参考記事
第4次「食」革命(日経ビジネス)
参考記事
【食とインバウンド】2020年は「プラントベースド」が市民権(NNA ASIA アジア経済ニュース)
そのように考えられる理由を説明しましょう。
3-1.ベジタリアンが世界的に増えている
植物性料理(プラントベース食)は、世界的にみれば多くの人に支持されており、ベジタリアンに限らず、支持層は広まっています。
ですが、ベジタリアン(ビーガン含む)の方々による支持が重要であることには変わりありません。
そのベジタリアンの数ですが、世界的に増えています。
- アメリカ:2,000万人(2018年)
- イギリス:300万人(2019年)
- イタリア:400万人(2017年)
- オーストラリア:250万人(2018年)
- カナダ:300万人(2016年)
- 韓国:150万人(2017年)
- スウェーデン:100万人(2014年)
- スイス:100万人(2017年)
- 中国:6,000万人(2013年)
- 台湾:300万人(2017年)
- ドイツ:800万人(2017年)
- フランス:300万人(2018年)
- ブラジル:3,000万人(2018年)
- ロシア:500万人(2014年)
世界全体では、約5億人がベジタリアンであると推測されています。
3-2.植物性料理(プラントベース食)は、一般の人々も対象としている
ベジタリアンでない人は、肉ばかり食べているのでしょうか?
そんなことはありませんね。
肉を食べる人も、肉だけでなく、野菜や果物、豆類や穀類、キノコを食べます。
- ステーキにはサラダがついているのが普通です。
- 焼肉店のメニューには野菜があります。
- すき焼きにはネギやタマネギ、キノコなどがついています。
肉だけしか食べないという、極端な肉食の人は少ないでしょう。
つまり大多数の一般の人々は、「肉も食べるけれども野菜や果物、豆類や穀類も食べる」そういう「雑食の」人々です。
植物性料理(プラントベース食)は、そうした雑食の人々も対象としています。
3-3.価値観の振り子
人々の好みや価値観は、時代によって右に振れたり左に振れたりします。
わたしたちはこれを「価値観の振り子」と名付けています。
振り子は右に振れたり左に振れたりした後、最後は中央に落ち着きます。
「価値観の振り子」についても、同じことが言えます。
すなわち、「価値観の振り子」は
- ある好みやある価値観が当然とされている時代があった。(右)
- そこに、反対の好みや新しい価値観が生まれ、一部の人々がそれを強く支持するが、大勢の人を惹きつけるには至らない。(左)
- 最後に、その両方の良い点を取り入れた形で、どちらにも偏らない中庸なところに落ち着く。その結果、大勢の人がそれを支持する。(中央)
といった動きをします。
たとえば、「オーガニック(有機)野菜」。
- かつて、化学肥料や農薬をあまり気にしない時代がありました。その代わり、スーパーマーケットの店頭に並ぶ野菜は形の良いものばかりでした。(右)
- そこに「オーガニック(有機)野菜」を信奉する人々が現れましたが、当初は、形が不格好で土がついている野菜や、虫食いのある野菜のほうがオーガニック(有機)的だと思われていました。(左)
- しかし今では、「オーガニック(有機)野菜といえども、キレイな見た目をしていてほしい。虫食いも勘弁してほしい」と人々は望んでいます。その結果、スーパーマーケットの店頭に並ぶ「オーガニック(有機)野菜」は虫食いが無く形の良いものがほとんどです。言いかえると「キレイなオーガニック(有機)野菜」が誕生し、そこに落ち着きました。(中央)
このように「価値の振り子」は世の中のいたるところで見ることができます。
同様のことが、植物性料理(プラントベース食)についても起きていると考えられます。
- かつては、野菜などの植物性のたべものが食事の主役として扱われることは、あまりありませんでした。(右)
- そこに「ベジタリアン食」「ビーガン食」を唱える人々が現れましたが、前述のように「ベジタリアン食」「ビーガン食」にはストイックで厳しいイメージがあり、支持していたのは一部の人々に過ぎませんでした。(左)
- そこで、ストイックで厳しいイメージを持たない「植物性料理(プラントベース食)」という言葉が生まれ、これまで「ベジタリアン食」「ビーガン食」を敬遠していた人たちも関心を持つようになりました。(中央)
つまり、植物性料理(プラントベース食)は、「右→左→中央」という振り子のプロセスの最終段階で現れた言葉ですので、長く定着すると考えられるのです。
3-3.企業の参入も多い
多くの企業が、
「植物性料理(プラントベース食)の市場はこれからますます大きくなる」
と見ています。
その証拠に
- 植物性料理(プラントベース食)の市場に企業が次々と参入しています。
- ハムやソーセージなどの食肉を扱っていた企業までもが、植物性料理(プラントベース食)商品を作り始めています。
- 植物性料理(プラントベース食)をテーマとしてスタートアップ企業が次々と誕生し、早くも上場するところが出てきました。
3-4.投資家も注目している
- 世界的に有名な投資家
- 世界的に有名な企業経営者
- 日本の大手商社
などが、植物性料理(プラントベース食)企業への投資を増やしています。
つまり、投資家も、植物性料理(プラントベース食)の市場に将来性を感じているのです。
4.日本はこれから
「ガラケー」という言葉があるように(※)、日本は分野によっては世界の動きから遅れたり外れたりすることがあります。
植物性料理(プラントベース食)についても、残念ながら日本はまだ「周回遅れ」の感があります。
(※)ガラケー:「ガラパゴス化」した日本の携帯端末を、からかいの意味もこめて呼ぶ通称。性能は良いが世界標準から外れているため海外では売れない。
しかし、いまは地球規模で人や情報が行き来する現代です。
植物性料理(プラントベース食)の動きは必ず日本にも伝わってきます。
4-1.先見の明のある人々は、動き始めています。
食に関してアンテナの高い人は、
- 世界の食卓の主役が植物性料理(プラントベース食)になりつつあることをキャッチしています。
- 日本が「周回遅れ」であることも知っています。
- 同時に、遅かれ早かれ日本の食卓も変化することを確信しています。
- そうなったときに、「植物性料理(プラントベース食)に詳しい人・専門家」の活躍の場がたくさん生まれることも予測しており、準備を始めています。
4-2.先見の明のある企業も、動き始めています。
- 商社は、海外で人気の植物性食品(プラントベース食品)を日本に輸入しようとしています。
- 食品メーカーは、独自の植物性食品(プラントベース食品)を開発しようとしています。
- 日本の伝統的な植物性料理(プラントベース食)である精進料理を商品化する動きも加速しています。
4-3.先見の明のあるメディアも、動き始めています。
植物性料理研究家協会では、植物性料理(プラントベース食)についての記事を日々集めています。
ここに載っているように、先見の明のあるメディアは、すでに植物性料理(プラントベース食)について特集を組んだり、海外情報を日本に紹介したりという活動を行っています。
4-4.日本のほうが進んでいる?
日本には、海外の「植物性料理(プラントベース食)ブーム」を受け入れるベースがあります。
なぜなら、日本には「精進料理」があるからです。
動物性の食材を使わない日本の精進料理は、わたしたちが世界に誇る植物性料理(プラントベース食)です。
その伝統は千数百年の長きに及びます。
時間や手間のかかる下処理が多いのが精進料理ですが、まさにだからこそ、制約がある中での複雑な調理技術や食材の吟味(目利き)についての考え方が、料理人・料理研究家に大きな影響を与え、日本の料理のレベルアップに貢献してきたといえるでしょう。
日本の精進料理の知恵と、海外の植物性料理(プラントベース食)とが融合し、新しいフュージョン料理が生まれることを期待したいですね!
5.まとめ
5-1.まとめ
植物性料理(プラントベース食)とは、野菜・果物・豆類・穀類・キノコ類など、「動物性の原料を使用せず、植物由来(プラントベース)の原料で作ったたべもの」のことを指します。
「ベジタリアン食」「ビーガン食」に対して極端なイメージを持つ人が少なくないのに対し、「植物性料理(プラントベース食)」にはそうしたイメージがなく、したがって「植物性料理(プラントベース食)」という言葉のほうが大きく広まると期待されています。
海外では、「植物性料理(プラントベース食)」はすでに人々の食卓を変える大きなトレンドとなっています。
- 「植物性料理(プラントベース食)」を名乗る飲食店が増え、ほとんどのスーパーマーケットで「植物性料理(プラントベース)食」が販売されています。
- 食品会社も「植物性(プラントベース)」商品を生産するようになり、食肉会社までもが「植物性(プラントベース)肉」の分野に進出し始めました。
- 植物性料理(プラントベース食)を食事に取り入れる家庭が増え、植物性料理(プラントベース食)の料理学校や料理教室が誕生し、植物性料理(プラントベース食)の専門家も誕生しています。
- 植物性料理(プラントベース食)に詳しい医師や栄養士もが誕生しています。
- 植物性のミルク(アーモンドミルク、豆乳、オートミルクなど)が売上を伸ばし、酪農家が減りました。
- 「植物性料理(プラントベース食)」市場への企業の参入も多く、投資家も注目しています。
このことから、「植物性料理(プラントベース食)」は一過性の流行ではなく、食文化として定着すると考えられます。
海外がこのように「大騒ぎ」している状況は、まだ日本にはじゅうぶんに伝わっていないようですが、日本でも先見の明のある人、企業、メディアはすでに動いており、「植物性料理(プラントベース食)革命」が日本にやってくるのは時間の問題でしょう。
日本には精進料理という、レベルの高い植物性料理(プラントベース食)がすでに存在しています。
日本の精進料理の知恵と、海外の植物性料理(プラントベース食)とが融合し、新しいフュージョン料理が生まれることを期待したいものです。
5-2.植物性料理研究家の活躍が始まります!
わたしたち「植物性料理研究家協会」は、
「植物性料理(プラントベース食)」への注目が高まっているこの動きを、新しい豊かな食文化の創造につなげたい
という思いで活動を始めています。
野菜・果物・ナッツ・豆・穀物といった植物性の材料をもとに、新しい料理や新しいたべもの、新しい食べかたを考えるのは、それ自体とても楽しいことではないでしょうか。
「植物性料理(プラントベース食)」という言葉が、食に関心のある多くの人々の創造意欲を刺激し、その結果
- たべものの新しいアイデア
- たべかたの新しいアイデア
- 料理の新しいアイデア
が、たくさん生まれてくることを、願っています。
そうした活動をする人(植物性料理研究家)が増えるための環境づくりを、わたしたちは進めていきます。
植物性料理研究家とは
- 植物性料理(プラントベース食)の楽しみ方を提案できる人
- 植物性料理(プラントベース食)を、暮らしにも、社会にも賢く活かせる人
6.メールマガジン
植物性料理研究家協会のメールマガジン(無料)をこちらから申込みできます。
★小冊子「MODOKI(もどき)料理読本」プレゼント
「えっ、これ、肉じゃないの? でも美味しい!」
大流行しているMODOKI料理。
そのキーワードは「植物性」です。
世界にはどんなMODOKI料理があるのか、本書にまとめてみました。
植物性料理研究家協会のメールマガジン登録者に無料で進呈します。